●ゲッサン10月号までの評価 その3
今回はゲッサンを牽引する外様作家さんについて
これがちょこっと弱いのがゲッサンの弱さにつながっているのでしょうね。
仲良し作家さんを養うための雑誌とはいえ
もう少し外様を幅広く集められなかったものか・・・
『アオイホノオ』 島本和彦 (ゲッサン/連載) 評価 8/10
6月(35P)↑ 7月(34P)↑↑ 8月(32P)↑↑ 9月(32P)↓ 10月(32P)↑
キャッチコピーの"炎のまんが道"これでだいたい説明できますね。
若かりし頃の島本先生をベースに
1人の大学生が漫画家になるまでが描かれて行くことでしょう。
舞台が1980年代の初めでほとんどの読者にとって意識がない時代か
生まれてすらいない時代だと思われますけど
作者がオタク文化に造詣の深い島本先生だけに
ネタが豊富でネタの使い方も上手いので
その世代を生きた人間じゃない読者でも楽しめるのが良いところです。
主人公の焔燃は持ち込みサンデー派なのでサンデーのネタが中心になりますが
8月号でSA社のジャンプにも持ち込みを敢行して
北斗の拳の編集者 堀江信彦さんのパロディキャラが登場しましたし
庵野秀明さん、山賀博之さん、赤井孝美さんと言ったガイナックス勢や
ボンズの南雅彦さんと同級生で実名で登場してくるので
アニメ好きでも楽しめるのが良いところだと思います。
こればっかりは大学の同級生に有名人がいる人じゃないと書けないことですから
この作品のかなり有利なところでしょうね。
(ちょうどヱヴァンゲリヲン新劇場版で注目されているのも大きいですし)
『ザ!! ビーチスターズ』 森尾正博 (ゲッサン/連載) 評価 3/10
6月(40P)↑ 7月(32P)↑↑ 8月(30P)↑↑ 9月(32P)↓ 10月(32P)↑
『アオイホノオ』と一緒にゲッサンにやって来た作品ですが
常時巻末から2番目を維持していますね。
巻末固定の『信長協奏曲』は意図してやっているそうなので
位置的にはこれが一番打ち切りに近いんじゃないかと思います。
実際、お色気だけで必殺技の名前叫んで試合が終わっちゃうような
どうしようもない漫画なので早いところ切って頂きたいですね。
ネックなのは内容を分かっていてあえて移籍されている経緯と
今やっと本戦のトーナメントが始まったばかり・・・と言った状況。
『アサギロ ~浅葱狼~』 ヒラマツ・ミノル (ゲッサン/連載) 評価 7/10
6月(44P)→ 7月(26P)↑ 8月(26P)↑ 9月(26P)→ 10月(26P)→
実力派作家のヒラマツ・ミノル先生が描く新たな沖田総司像ということでしたが
1話の大迫力の試合から始まって
2話では子供が真剣を手にした高揚感
3話で切腹の介錯シーン
4話は激しい拷問
5話で腐りかけ?の沖田総司
と毎話圧倒さてれます。
言葉でどうこう語るような漫画ではないですけど
ゲッサンの読者層でも十分通用する作風だと思います。
『リンドバーグ』 アントンシク (ゲッサン/連載) 評価 8/10
6月(50P)↓ 7月(36P)↑ 8月(32P)↑ 9月(32P)↑ 10月(38P)↑
コミックコンプのような作風で一般受けはしないでしょうが
陰影のつけ方が上手くて
重厚感のある作風が実力の高さを感じさせてくれる作家さんです。
マイナーWEBコミック出身ということで
編集者さんが良く見つけてきたなと感心します。
正直言うと1話はあまり面白いと思わなかったんですよね。
当時、一応評価は6/10をつけたんですが
作家の実力につけた点のようなもので・・・。
でも、それが2話、3話、4話、5話と読み進めて行くうちに好きな作品になってました。
何よりも主人公の住んでいる世界をしっかり描けているのが大きいと思います。
ちょうど『楽神王 ~vero musica~』のところで描いたことの真逆で
面倒な背景をしっかり描くことで読者を上手く主人公の居る世界に導いていますね。
ファンタジーを描くならばこれが何よりも重要なことではないでしょうか。
人物だけ描いて手抜きしている某作家さんはプロとは思えないです・・・
世界観はゲーム好きならば『パンツァードラグーン』を思い出してしまうような
ありがちなものですし
ストーリーも外の世界を知らずに育った少年と
外の世界から来た大人の男が出会って冒険が始まる・・・
という類型的なものですが
興味心をかき立てられ続きを読みたくなる良作だと思います。
『いつかおまえとジルバを』 横山裕二 (ゲッサン/連載) 評価 6/10
8月(19P)→ 9月(12P)→ 10月(6P)→
横山専務としてスピリッツで活躍していた作家さん。
今度、月刊!スピリッツでも短期連載を始めるようで順風満帆ですね。
作品として評価されることはないと思いますが
気軽に読めるショートギャグとしてはなかなか良いと思います。
ゲッサンは全体的にWEBがおざなりになっていますが
その中で精力的に更新なさっているところも評価したいです。
巻末の漫画家さんの仕事場紹介漫画『仕事場見たいし!』も面白いです。
